【書評】樹木画によるパーソナリティの理解 カレン・ボーランダー

バウムテストの本
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初版は1999年8月です。
つまり20年前の本になりますが、その内容は非常に濃く古さを全く感じさせません。

サインを列挙するだけでなくコッホやストラの解釈とは異なる点も紹介されており、価値ある一冊と言えるでしょう。

Contents

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書籍について

出版元はおなじみのナカニシヤ出版。
全381ページのハードカバーになっています。
定価は6,000円(税別)と、ちょっと高価な部類。

著者はカレン・ボーランダー。
訳は『樹木画テスト』の著者でもある高橋依子さんです。

豊富な描画例が示されており、細かな点を確認しながら読み進めることができます。
ボリュームがあるので読み込むのは大変ですが、決して難解なものではありません。

カレン・ボーランダーの特徴

ボーランダーのサインはコッホよりも細分化されているのが特徴です。
それは描線の用いられ方や位置などのも言及しているからです。

「根と地面」といったように部位間の関係性も検討しているので、サインの数は多めです。

相違点

コッホはバウムテストが「知能を判定するのに有効である」としたのに対し、ボーランダーは異なった見解を示しています。

このように本書のなかでは他の研究者と異なることを明示したうえで、ボーランダーの見解を述べている箇所がいくつか出てきます。

【例】果実⇒こちら

コッホ
・待つことができない、長続きしない
ボーランダー
・創造の結果や達成感
このように異なる解釈に注目することが大切です。
コッホの解釈は曖昧な部分が多く、理解しにくい部分もありますがボーランダーの解釈は明解であることがほとんどです。

結論:非常にオススメできる1冊です。

初学者はもちろん、熟練者であっても手元に置いておきたい1冊です。
解釈のみが注目されがちなバウムテストですが、全体的に評価することの大切さを教えてくれる名著です。

初学者はまず『樹木画テスト』を読み込んでからこの『樹木画によるパーソナリティの理解』を読破すれば理解が深まるはずです。

つまり「つべこべ言わず読んどけ!」ってことです。

バイブル的な名著ではあるものの、残念ながら書店で見かけることはありません。(バウムテストの書籍のほとんどがそうですが・・・)
Amazonで購入されるのが確実です。

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