自我の領域
自己概念の基本領域
社会性を示唆している
幹の解釈は困難をきわめます。
それは被験者が描く幹の表現をタイプ別に分類することが困難だからです。もちろん診断者の熟練度にも左右されるのは他のサインと同じです。
幹は情緒領域を表すとされていますが、注視する際は以下の3点に注目します。
①幹の形態
②幹の輪郭
③幹のバランス
②幹の輪郭
③幹のバランス
※コッホは「6~7歳の子どもは幹を過度に強調する傾向がある」としています。
Contents
①幹の形態
肯定的に捉えて良い形態と否定的な解釈になる形態の2つに大別できます。
【肯定的な幹の形態】
平行な幹
根元に向かって広がった幹
樹冠に向かって広がった幹
樹冠と根元に向かって広がった幹
【否定的な幹の形態】
根元に向かって誇張して描かれた幹
樹冠に向かって誇張して描かれた幹
上下に向かって誇張して描かれた幹
幹がない
・失望感
・自暴自棄になっている
幹のふくらみ
・満たされない欲求
・実現、達成できなかった過去の経験
波状に曲がった幹
・気が変わりやすい
・情緒不安定
地面から切り離されている幹
・孤立感
・不幸と感じている
・個人主義
・野心
・衝動性
②幹の輪郭
自己と他者(もしくは外界)をより厳密な仕方で分離する境界領域
どのようなライン(ストローク)で幹が描かれているかに注目しましょう。
ギザギザの輪郭
・強い防衛
破線で描かれた幹
・神経質
・脆弱性と不安を感じている
小さなラインが接近した幹
・自信喪失
・著しい感受性
・躊躇
単線の幹
・自己否定
・未成熟性
・現実を客観的に検討する能力の喪失
・現実をあるがままに見ることを拒否している
・不安
※樹幹や枝などの他の部分も単線描かれている場合は問題ありません。単線の幹は他の部分との関係性が重要になります。
2本線の幹+単線の枝
・夢や遊びで現実逃避する
・退行
・現実と欲望との不一致を嘆いている
③幹のバランス
正常な幹の太さは3cm前後とされています。(用紙をタテに使用した場合)
細い幹
・繊細な感情
・退行
・弱い自我
・生きる意志(エネルギー)が乏しい
・萎縮
・共感性の欠如
太い幹
・過度に感情的
・気まま
・強い自己主張
・理性を上回る感情
幹上部の成長が小さい
・過去や現在にあまりエネルギーを使わない
幹下部だけが成長している
・退行
・抑うつ状態にある
コメント